千里中央駅周辺のゲーム買取でおすすめの高い店舗は？比較ランキング

他のお店も回ったけど、ここが一番高く買ってくれた。

高く買い取っていただきました。

「く、ぽんぽんペイン…」 本特有の香りや雰囲気にあてられ、私は書店に行くとなぜかお腹が痛くなる。
ただお腹が痛いと言うより「ぽんぽんペイン」とキャッチーな可愛い名称にした方が痛みも柔らぐ気がするので、そう呼んでいる。
（なお、痛みは変わらない） 仕事終わりの18時頃に立ち寄った田村書店は学生、サラリーマン、主婦、さまざまな人で賑わっており、「どうせ千里中央の書店でしょ」と期待をしていなかった私は店内の賑わいを見て驚いた。
こう言ってはなんだが、田村書店がある「せんちゅうPAL」は少し過疎りぎみである。
数年前に発生した大型の地震により、モノレール千里中央駅すぐそばのダイエーは建物が崩壊の危険性があると判断され即座に閉鎖。
建物は今もそのままである。
そんな不運に見舞われた千里中央は発展途上で時が止まったような、少し平成初期感が漂う場所だ。
しかし、そんな千里中央のせんちゅうPALにある田村書店の店内は人が多いように感じた。
店員さんは3〜4人はいるようで、「お探しの本を見つけます」のポップを掲げるカウンターも設置されており、1人の50〜60代ほどの店員さんがそこを任されていた。
私は友人にオススメされた本を20分ほど探していたが、上手く見つけられない上にぽんぽんペインであるため、その店員さんに助力を申し出た。
「すみません。
「方舟」って置いてますか？」 「あぁ、方舟、方舟……たしか2年ほど前に流行っていた………えーっと、単行本ですよね？」 「えぇっと…実はあまり詳しくなくて、文庫版とかあるんですかね？」 電車での出勤中に本を読むので、持ち歩くことが多い私としては、単行本より文庫本の方が小さく持ちやすいので、あるなら嬉しい。
「文庫本ですか…えーーっと…」 カチカチとパソコンで調べてくれている。
文庫本もあるかもとワクワクした気持ちでいたらぽんぽんペインも少し治ってきたように感じた。
「あぁー、8月9日に文庫本が販売しますね」 「そうなんですね。
どうしようかな…待とうかな…」 今日は7月29日、販売までだいたい1週間だ。
「単行本の方も一応在庫ありとはなってるんですが…これ、たぶんないな…」 店員さんだけが分かる勘なのか、それともよくあることなのか、在庫がないであろうと予想しながらも店員さんは続ける。
「少し見に行ってきますね」 「ありがとうございます」 と、言いつつもついて行くことにした。
私が探した場所は果たして見当違いだったかなど気になるし、なにより探しに行かせてここで待つのが心苦しかった。
2人でてくてくと歩きながら、あらためて店内を見回すと、壁際には軽く座って試し読みができる場所がいくつかあり、そこに主婦やサラリーマンが座って読書していたり、文房具コーナーがあり、女子高生の2人組が物色している様子が見えた。
新作コーナー、メディア化コーナー、ロングセラーコーナー、文芸本コーナー、中古本コーナー、ミステリーコーナー、さまざまな仕掛けが田村書店では施されていた。
単に書店とは本を売り買いする場所ではなく、本好きの憩いの場所となるような、新たな本に出会いやすくなる場所のような、そんな温かな読書愛に溢れた場所のように私は感じた。
いくつか棚を見て周ったが「方舟」の単行本は店員さんの予想通り、在庫がなかった。
「すみません。
やっぱり在庫を切らしているようで…」 「いえいえ、丁寧に探していただきありがとうございます。
それに文庫本が販売することも知れたので、とても助かりました」 これは本当にありがたい情報だった。
「また8月9日に買いに来ますね」 「ありがとうございます」 優しい笑顔と共に店員さんは感謝を述べてくれた。
その後、私はいくつか中古本と新刊を購入して田村書店を後にした。
ぽんぽんペインはあの店員さんとのやり取りの中でいつしか消えており、新しく買った本を鞄に入れた私の足取りは軽い。
田村書店千里中央店はモノレール千里中央駅から真っ直ぐせんちゅうPALを進むと見えてくる3〜4階に位置する書店だ。
そこは平成初期の雰囲気をずっと変わらずに醸し出しているかもしれないが、書店ができて以来ずっと変わらずに本好きに愛されているお店なのだろうと、たった一回の来店で分かる。
そんな素敵な書店であった。